「原 元」氏に捧げる
もと神戸市在住の故原 元氏は、かつて函館本線(小樽~長万部間)の厳冬の雪の中を二冬にわたり、560kmにも及ぶ距離を単独で歩いて撮影した代表的な写真集「急行ニセコ」を世に発表して蒸気機関車の新たなるアングルを作り上げた著名な鐵道写真家であり、また優れたデザイナー(大村 崑氏の年賀状も手がけております)でもあった方です。
たまたま私が北海道の山線でC62重連を撮影に行くと3回も人里離れた撮影地でお会いし、撮影も終わって小沢の駅前で昼食をご馳走になった事が今、思い出されます。
それから10年余り経ったある時、原元氏のご自宅に突然ご連絡を取ったところ、何とご主人は亡くなったとの話で、早速神戸に友人のI氏と車で伺い、ご仏前に手を合わせました。其のとき私は故原 元氏の写真集「急行ニセコ」を再出版しませんか?と奥様に泣きついて一部の写真の原版を戴いて来ました。その後も奥様とはご連絡を取り合い、同じ神戸市在住のK氏をご紹介して戴くと言うチャンスにも恵まれました。
この度は、阪神大震災により原元さんのご自宅も多少被害に合い、東京の息子さんの所に一時引越をされた後、大阪に引越されたとの便りを戴きました。
平成7年4月